ゴルフRに搭載されるエンジンはEA888型4気筒2.0L直噴ターボエンジンです。
私の前車ゴルフGTIはEA113型でした。2リッター直噴ターボエンジン「2.0 TFSI」（200ps）で、リッターあたり100馬力。最大出力だけでなく、低速トルクの力強さやレスポンスの良さが一番の魅力でした。最大トルクの28.6kgmを1800～5000rpmで出すので、2000回転でもゆったり流せて、そこから踏み込んでもターボラグを感じず大排気量のエンジンのような感覚でした。直噴エンジンで圧縮比10.3と言うところがそのような感覚に繋がっているそうです。
車重が1460kgと重く、パワーウェイトレシオは7.3kg/psだったので鋭い加速ではなく、100km/hを過ぎても続く長い加速と言う感じだったと思います。
ターボエンジンというと低回転で元気が無く、踏み増すと急激にパワーが立ち上がるイメージだと思います。EA113はフラットトルクですが、そのような印象はありました。先代のゴルフ6Rはそのようなパワー感だったそうで、搭載されていたのはボルグワーナー社製K04タービンだそうです。前車ゴルフGTIは確か同じくボルグワーナーのK03タービンでフラットトルク特性を狙っていたようですが実際は・・・。ゴルフ7RはIHI社製のターボチャージャーに変更されていて、低回転域から扱いやすく、NAのようなレスポンスの良さ、回転数に伴ったパワー感により磨きが掛かったようです。
ゴルフRのエンジンはEA113の発展型です。基本的に現行ゴルフ7GTIと同じ型式ですが、モータースポーツ用エンジンに匹敵するチューニングを採用しているとあります。新設計のシリンダーヘッド（排気バルブ、バルブシート、バルブスプリングなど）、ピストン、高圧インジェクター、専用ターボチャージャー備えているところが違いで、吸排気カムの連続可変バルブタイミング機構に加え排気側には可変リフト機構も装備しているそうです。
車重が1500kgもありますが、280psで5.3kg/ps。加速はGTIよりも鋭いのは当たり前ですね。。。最大トルク38.7kgmをGTI同様1800～5000rpmで発生するので、車重はあってもそれを全く感じさせません。
シリンダーヘッドから内部パーツが新設計され、ユーロ6対応となっており、排気ポートと水冷EGRシステムがシリンダーヘッドと一体型で、前述のIHI社製ターボも排気マニホールド一体式だそうです。またポート噴射・シリンダー直噴両用のデュアル・インジェクターを採用してるのも特徴とあります。大出力を狙うため吸気ポート径を拡大し、その一方で低負荷時にはポート噴射により生じるタンブル流を利用して燃焼速度を高めるなどの工夫がされているようです。ポート噴射が使われる事でバルブに付着するカーボンなどを洗浄出来る可能性があり、直噴のみのエンジンに比べて清浄に保たれるかもしれないというメリットが考えられます。EA113型はフル加速時に盛大に黒煙が出た事があり、コレはこのエンジンに限った事ではありませんが、改善されているようです。
また、先日のドライブで感じた暖気の早さ。EA113型は暖気に非常に時間が掛かり、冬場はなかなか暖まりませんでした。EA888型はエンジン内部のフリクションの低減と冷間始動後のウォームアップを早めるために電子制御冷却システムを採用し、冷却水を運転状況に合わせてコントロールしているそうです。エンジンの軽量化も追求され、シリンダーブロックの肉厚はわずか3mm。その他にバランスシャフト、クランクシャフトの軽量化、樹脂製オイルパンなどが採用されています。
一方で使用するオイル量はEA113では4リッター強ですが、1リッターほど余計に入るようです。ターボエンジンと言う事もあり、オイルの使用状況が過酷になるので、これは改良と言えると思います。
前車のゴルフ5GTIのEA113型エンジンに比べると回転フィールが軽やかで振動はレッドゾーンまでは回していませんが、3,4千回転位では皆無でした。機械的なノイズなどもほとんど感じず、回転の上下もとても鋭く感じられ、質感は別物のように高いです。アイドリングで直噴特有の金属音が聞こえてきたEA113型エンジンに対して、このようなメカニカルノイズは全く聞こえず吸気音と排気音だけです。
街乗りでもDSGのダイレクト感と相まって、イメージしていたよりもスカスカではありませんでした。アクセルだけで低速時にコントロール出来るフレキシブルさがあり、駐車場などでもコントロールが非常にし易く、ピークパワーだけではない性能も持ち合わせていると思います。10年程度でかなり進歩している事が分かりました。
来週の連休は帰省予定で、ゴルフRで長野まで高速を使って行く予定で楽しみにしています。先日のドライブでは街乗りでも普通のモデルより扱いやすい位に感じられましたので本領を発揮する高速道路でもかなり期待出来ますね。
